夜ハ短シ
バンド、「夜ハ短シ」のブログ。その他いろいろ。
台湾演奏旅行 三日目
6月26日
台湾旅行最終夜のライブは小地方展演空間APA miniという会場で行われる。
入り時間までにはしばらく時間があるので地下鉄に乗ってターミナル駅の台北駅まで行くことにした。
ホテル最寄り駅から台北駅までは地下鉄で10分くらい。
値段は20元。円に換算するとだいたい70円前後。なんとも良心的な値段。
台北駅改札を出て地下街を歩く。
東京にある大好きなラーメン屋が台北市にも出店していて
これは「食べておく必要がある」とまではいかなくとも「あわよくば」である。
ラーメン屋は中山北路一段140巷という通り沿いにあるらしい。
地上に出るとそこはもう真夏の暑さ。とはいえ暑さにも慣れ始めている。
なんとなくラーメン屋を探しているような探していないような感じで少しだけ散策。
とても魅力的な路地多数。吸い込まれるように歩く。
市場発見。吸い込まれるように入る。香辛料か生肉か、ややニオイがきつい。
通りにはたくさんの店が連なっている。
お粥の店、小籠包の店、飲み物の店、何屋か分からないけど何かのお店。
そんなお店を横目に見ながらラーメン屋を発見!発見したのだけど、
果たしてラーメン屋には入らず、長安西路沿いにあったお店へ。
何の前情報もなく、言葉も通じないお店に飛び込んで食事をする。
なんてのは私にとっては生まれて初めてのこと。
「何も知らないところに飛び込んでゆく、これ旅の醍醐味の一つ」
と何年も前にある男が言っていたっけ。
店の入り口が厨房で、その脇を通り抜けて奥にあるテーブル席に座る。
エアコンは効いてなくて扇風機が回っている。奥には神棚があった。
暑いけれど、それがなんだかとても正しい感じ。活気がある。
家族で経営しているのか、しわくちゃのおばあちゃんが働いていたり、若い兄さんもいたり。
厨房のおじさんはぶっきらぼうだ。だけど良い笑顔。
注文したのは小籠包と豆乳スープ、台湾風ハンバーガーといったところ。
どれもあっという間に提供されて、それはどれも美味しかった。ハオツィー。
たかが食事かもしれないけれど
飛び込まなければあの美味しさは味わえなかったし
暑いけれどそれが正しい、なんて思わなかっただろうし
ぶっきらぼうなおじさんの笑顔も見ることも、
あの活気を感じることも出来なかったことでしょう。
とても有意義な時間。
地下鉄に乗ってホテルへ。突然の雨雨雨。
機材や物販を整えていざライブハウスへ。もう雨は止んでいた。
会場についてみると、その日の昼にやっていたイベントが終わっておらず
すべての行程が1時間押しで進むことになった。
白倉新之助と踊る子守唄のリハ。無事終了。
Duda Deportivaのリハ。無事終了。
えあどぐべのリハ。あるはずのエレキピアノがない。
とりあえず、大友くんはピアニカを吹き鳴らす。
リハが終わる頃、エレピが到着。が今度は音が出ない。
そうこうしているうちに夜ハ短シのリハ。無事終了。
エレピもどうにか音が出た模様。よし。
さあ台湾演奏旅行の最終夜、本番へ。
6月26日のセットリスト
1.君の空は何色か
2.君と僕はよく似ている
3.明日へのファンファーレ
4.やさしさについて
5.14才
6.曖昧みんなドリーマー
7.中央線ラヴ・ソング
8.今日も生きるのだ
夜ハ短シの出演は一番目。
「一番最初の出演者がその夜の方向性を決める」みたいなことをよく言うけれど
私は過去にそういったことを一切気にしたことがなく、
ただただ目一杯にその夜を生きるだけと常々思っており
それはこの夜も同じこと。
しかし初日の旅行記でも書いたように、
【その夜の対バンがいいステージみせた。となったら、それ以上のステージ見せてやろう。と仲間であろうとなかろうと否応無しに心は盛り上がるものです。】というやつ。
たけしえあどぐべも白倉子守唄もそういった気概を持ち合わせた人たちであることは疑う余地がなく、そういった意味でもこの夜の我々のステージは一番目の役割をしっかり果たせていたのだと思う。
マッチにも健くんにも感謝である。
14才をうたっているとき胸の奥からぐっと込み上げるものがあった(最終的には溢れてしまった)のは
それは去年末に山梨県ハーパーズミルで開催された
「夜ハ短シ×えあどぐべ×白倉新之助と踊る子守唄」のスリーマン企画の際に感じた感情と同じ
強烈に、猛烈に、青春を感じたがため。
始めは何の接点もない者同士。それぞれがそれぞれの青春を生きてきた。
その上で出会って、「ボクなしでは、キミなしでは」成し得ない
そんな新しい青春を一緒に生きている。
これを奇跡といわずして、なんと云うのか。
えあどぐべはhitoくん(たけしの実兄)の「どたばた」ドラムから演奏が始まった。
たけしはでかくて、そして土橋ちゃんはまるで小動物。
大友くんは三人の空気感や間を読み取ってしなやかに鍵盤を叩いている。
たけしは曲名を中国語に訳して読み上げていたのだけれど
現地の人々にはうまく伝わらず、それはそれで笑いがこぼれていた。
そして稀に伝わったときの一体感。さらに大きな笑いが溢れていた。
やっぱり「がはは」の精神。それでいて
たけしの言葉と音楽はとても繊細で、呼吸を忘れてしまうときがある。
何かを超えたところで、何かが共鳴しているんじゃないか。
えあどぐべは「おもちゃ箱をひっくり返したみたいだ」って思うけど
それって本当は「宝石箱」なんじゃないのか、とも思う。
キラキラと輝くたとえようのない色。そんなことを思った夜だった。
ゴールドフラッシュと、向かい合うだいちゃん。
クリス、真野ちゃん、経ちゃん、それから白倉新之助。
白倉新之助と踊る子守唄の演奏が始まった。
冒頭での白倉くんの、この夜のための、この演奏旅行のための言葉たち。
いままで見た中で最高のパフォーマンスだったように思う。
白倉くん、ほとばしっていたな。
そしてバンドの音が塊になって飛び交っていたな。
quizmaster期のうたを演奏したときの聴衆の盛り上がりったら!
白倉・子守唄もicon girl pistolsも
つまり白倉新之助という人が織りなす言葉と音楽に
私の心の扉が開くような気がします。
20代前半、仲間たちと馬鹿をやっていた頃の扉。
歳を重ねるにつれてその扉を開ける機会がぐぐぐっと減っていたのだけど
いままた、しかもあの頃より上手に開けることが出来るように思うのです。
そしてそこに居るのはたけしやマッチ、家族たちだったりして
それがまた一つの青春なのでしょう。
踊る人。微笑む人。がははの人。寡黙な人。
内気な人。泣いてしまった人。ゆっくりな人。いつもいそがしい人。
走る人。歩く人。怒る人。怒られる人。
お酒を呑む人。お酒を呑まない人。
やさしい人。強い人。強く生きる人。
それはまるでライオンのように。そうか、
ライオンのように美しく、ということなのか。
大団円を迎え幕を閉じた夜。
ゲスト出演だったDuda Deportivaも素敵なライブをしていた。
最後に会場内にあったAPA miniの看板の下で皆で記念撮影。
みんな良い笑顔。名残惜しい時間。
小凱とsheちゃんが皆にお土産を準備してくれており、なんともありがたい。
この夜がいつまでも続けばいいのに。
今回の演奏旅行を企画してくれた
白倉新之助くんに大きな感謝を。
現地でサポートしてくれた台湾の仲間たちに大きな感謝を。
台湾がとても身近になったし、とても好きになりました。
単純な私はまたすぐにでもうたいに行きたいと思ってしまうのです。
初めて日本という国を出て、そしてうたって。
飛び込んでチャレンジすることの大切さ
その先に何かが待っているということ
言葉以上に伝わる思いがあるということ
自分の信じていることを信じきるということ
青春はいつまでも終わらないということ
いままでだって分かっていたことだったけど
また少しちがった切り口で理解が深まったような気がしています。
本当に得るものがたくさんあった実りある演奏旅行でした。
最後まで読んでくださった人たち、どうもありがとう。
台湾から帰ってきて約一ヶ月。今夜、東京は雨が上がって曇り空。
きっともうすぐ梅雨が明けて、夏がやってきます。
おしまい
スポンサーサイト
台湾演奏旅行 二日目
一夜明けて6月25日
24日の打ち上げはそれなりに遅い時間まで開催されていたのだけれど
午前中には起き出して夜に行われる、私とよよよ_ゐの弾き語りライブの準備を始める。
といっても物販用のCDを準備するとか
いつものコンデンサマイクとショックマウントを
スーツケースからトートバッグに入れ替えるとか、その程度。
ほどなく白倉くんが部屋にやってきて、彼の、彼らのCDを預かる。
今夜、彼とicon girl pistols、踊る子守唄とその家族の面々は
台湾の友人の結婚式に参列する。その前に、
「これからアンニーのお店に昼食にいきますがいかがですか?」
とのことで、連れていってもらうことにした。
ホテルからタクシーで10分くらいだったか、アンニーの経営するカフェはあって
とてもオシャレな雰囲気で、料理も美味しい。
ずっと満席だったのはきっと人気のお店だからなのでしょう。
ゆっくりはできなかったけど、美味しいコーヒーが飲めてほっとする私。
しばらくして結婚式へ向かう組、ホテルへ戻る組に別れて移動開始。
アンニーが、カフェの近所にあるという超有名なパイナップルケーキ屋さんに連れて行ってくれた。
お客でごった返している店内には日本人も大勢いて、すれ違い様に日本語が聴こえる。
レジの店員さんも「ニホンゴダイジョブ」と日本語しゃべれる。
ここのパイナップルケーキ、本当に美味しいみたいです。
私、小さいころからフルーツケーキの類いが苦手です。
なのでナッツのタルトを購入、帰国後食べる。これ美味し。ハオツィー。
もっと買っときゃ良かった。
ロビーでたけし(よよよ_ゐ)夫婦と待ち合わせしてタクシーで会場へ。
会場は海辺のカフカというカフェ。
台北のシンガーソングライターeasyくんがゲストで出演してくれることになっている。
この日は英語の話せない私とたけしの二人。英語の話せる人たちは皆、結婚式へ行っている。
がしかし、そこは流石の白倉新之助。
前夜に紹介してくれた小凱(シャオカイ、日本在住経験有り、眼鏡女子)に通訳をお願いしてくれている。
我々が会場入りするとすぐに小凱も登場し
会場のスタッフと何やら話してくれて
リハーサルはいつでもできること、出演者はドリンクが一杯無料で飲めること、物販の場所や、出演者控えの場所なんかを理解する。
sheちゃん(小凱の学生時代からの親友、眼鏡女子)も来てくれる。
小凱、sheちゃんなにやら相談してご飯を買って来てくれるというので
お言葉に甘えてお願いすることに。
肉と春雨のようなものが入ったスープ。
それからフワフワもちもちの生地で肉をはさんだやつ。
なんて名前の食べ物か分からないけど美味しかった。
たけしの食べっぷり。
どこにいっても、たけしはたけしのまま。
えあどぐべのhitoくん(たけしの実兄)現る。大友くん現る。踊る子守唄の経ちゃん現る。
山梨からやって来た小宮山家の人々、と途中合流していた
マッチ、私の妻、現地でコーディネーターをしているチョウくん現る。
そして何より驚いたこと。京都からキタヲカフミヒト現る。
キタヲカフミヒト!あらわる!
順番的には
sheちゃん→hitoくん→大友くん→キタヲカ→小宮山家の面々→経ちゃん
だったかな。
なのでキタヲカ登場後の小宮山家の人々、マッチ、私の妻あたりの驚きっぷりもなかなか。
20時過ぎ、ゲストのeasyくんがうたい始める。
フルアコのエレキを爪弾いてシャンソン的なうた。
線の細い、でも割と厚みがある声。小粋なコードワーク。
歌詞の内容は全く分からないけどやさしい雰囲気が漂っておりました。
「ヨヨヨイ、ヤマサン、アリガト」といった感じのことを喋っており
日本人の聴衆から拍手喝采!
そして、よよよ_ゐ登場。
どこにいっても、よよよ_ゐは、よよよ_ゐのまま。
よよよ_ゐに対する私の思いは揺らぐことがなく
(これは白倉新之助くんに対しても同じ)
音楽的側面も文学的側面も人間的側面も愛してやまないわけです。
自分が自分である、ということ。
変わってゆくこと、変わらずにいること。
そんなことの本当の意味を知っているような感じ。
hitoくん(たけしの実兄)仕込みのにわか中国語も台湾の人々に伝わってるんだか伝わっていないんだか。しかしそこは「がはは」の精神。
いつも通り彼が「がはは」と鳴れば、周りの皆が「がはは」と響く。
それで「ヨヨヨイ」となる。
ぬくとい(甲州弁、あたたかいの意)時間。
お喋りしていた現地の人たちが、ふとした瞬間に喋るのを止めて
よよよ_ゐのうたに耳を傾ける。
そんな場面をみて嬉しくなったのでした。
そして私。
いつも通り、いつも通り。
投げ込んで、引き戻して。
動と静、緊張と弛緩。豪快と繊細。
をイメージして。
でも決してうたが「うた」であることを忘れないように。
ライブが終わって
海辺のカフカでひとしきり盛り上がった。
うたう乗り鉄キタヲカ(猫好き)はアロハシャツに下駄といういつも通りのいでたち。
どこにいっても、キタヲカはキタヲカのまま。
いろんな場所へ旅をして旅慣れている彼は
翌日は始発に乗って台湾の猫村ホウトンという街へ行くという。
そして昼前の飛行機で日本へ戻るという強行スケジュール。
旅慣れているせいか別れ際のタクシーに乗るときさえも
まるで新橋あたりでタクシーをつかまえてヒラリと乗車し
「じゃ、またー」みたいな感じで去っていく。
キタヲカフミヒト
何事もなかったように現れたあの瞬間。
去り際のタクシーの乗りっぷりの良さ。
きっと生涯忘れることはないでしょう。
そんなわけでその夜は
小凱とsheちゃんの友達が経営するバーへ行きました。
バーには結婚式に参列していた面々も集まってきて飲んで騒いでの夜。
たけしとhitoくんとバーのマスターが意気投合してウイスキーをぐび。
ぐびぐび。ぐびぐびぐび。
「がはは」の人々。
私は一人ぬけ出して、少しだけ夜の住宅街を散歩してみたり。
小凱とsheちゃんには本当に感謝だなぁ、なんて思いながら。
台湾の人たちのあたたかさ、やさしさについて考えてみたり。
その答えはでないまま、それでも心は「ぬくとい」まま。
そんなふうにして二日目の夜は更けてゆくのでした。
つづく。
台湾演奏旅行 初日
台湾から帰国して
見事に風邪をこじらせたのは私です。
生まれて初めて日本という国から出ました。
どんな色かな、どんな匂いかな、どんな空かな、
どんな空気かな、どんな音かな、どんな活気かな、
なんてことを考えながら空港から一歩踏み出したそこは
そんな想像を全部なかったことにするような
まるで蒸し風呂でした。
そもそも空港ではその国の暮らしや匂いや空気なんてものを
垣間みることはできないってことか。
海外初心者、全力でいこう。
今回の演奏旅行はgoodbye donuts recordsを主催し
icon girl pistols、白倉新之助と踊る子守唄でうたをうたう白倉新之助くんの企画によるもの。
彼の先導のもと高速バス、地下鉄と乗り継いでホテルに到着。
話に聞いていたとおり、ホテルは冷房がよく効いておりやや肌寒い。
ひとまず荷物を部屋に放り投げてロビー集合、皆で昼食へ。
蒸し風呂の街、通りにはたくさんの小さな店が軒を連ねており、
適当な店に入って漢字ばかりのメニューを眺め、適当に勘で注文。
台湾料理には八角という調味料が多用されているようです。
「やまさん、八角ダメかもねー」なんて言われておりましたが
私、八角さん、ダメでした。
食事を終える頃には外はものすごい雨。日本で言うところのゲリラ雨というやつ。
雨が多い街のため、基本的に歩道には屋根があるような作りになっていること
タクシーがとても安く利用できることなんかを考えると
案外困らないのかもしれないなぁ、なんて思ったのでした。
台湾に到着した24日のその夜はREVOLVERというライブハウスで
icon girl pistolsと夜ハ短シのライブ。
16時会場入りして出演が24時からという長丁場でした。
言葉の通じない環境でのライブ
リハーサルで足もとのモニターから
「自分の声をもっとくれ」とか「ギターを下げてくれ」とか、
どうしたものか。がしかし今回はサポートドラムで参加してくれたicon girl pistolsの健くんが
英語でコミュニケーションしてくれる。一安心。
ライブが始まるまで各々銘々自由時間となり、
散歩するやつ、お酒飲むやつ、そのうち大半はお酒飲むやつ。
あれよあれよで夕方になって皆で小籠包を食べに。
小籠包には八角さん入ってナーイ!とても美味しい。ハオツィー。
食事を終えて会場に戻るとどこから集まって来たのか、お店から人が溢れている。
二階がライブスペース、一階がバー。
つまりバーが大盛況。しかも欧米系の人たちが大半を占めており
なんとも雑多な感じとなっておりました。
そのわきで、再会のハグをする日本の仲間たちと台湾の人々。
両者とも本当に素敵な笑顔でした。そしてそのまま紹介合戦。
「これは誰、何をしている人」「これは誰、以前日本にいた」などなど。
きっとお互い一回じゃ覚えられないけど、みな笑顔、笑顔、笑顔。
二階のライブスペースを覗き込んでみると、お客さんもそこそこにおり
現地のバンド(この夜はパンクバンドが多かった)が演奏を初めていて
お世辞にも上手いとはいえない演奏なのだけど、
血眼になってうたっているやつがいたり、自分に酔いしれている(良い意味で)やつがいたり
かたちや言葉は違えど、ちゃんとエネルギーみたいなものは存在していて
音楽ってスゲーなーと思ったわけでした。
夜ハ短シはicon girl pistolsの次の出演、この夜のトリでした。
icon girl pistols(この日は3人編成)がとても良いパフォーマンスを見せており
演奏を3曲ほど聴いて楽屋に引っ込んだわけですが、
楽屋の壁を越えて聴こえてくる音だけでいいライブしているのが分かる。
白倉くん、クリス、健くん、3人のエネルギーが会場を飛び交っているのが分かるような
そんな音でした。
これはとても刺激的。
その夜の対バンがいいステージみせた。
となったら、それ以上のステージ見せてやろう。
と仲間であろうとなかろうと否応無しに心は盛り上がるものです。
第一声(この旅で一番緊張した瞬間)は「ターチャーハオ」でした。
そして「we are 夜ハ短シ from Japan」と。
その後は全部日本語。それでいい。想いは伝播していくはず。
BEATLESを聴いて言葉が分からないのにドキドキしたように
ブルーハーツを聴いて言葉の意味は分からないけど
なぜだか涙が溢れた12才の頃のように。
きっとそれでいい。初期衝動。
これはきっと私もマッチも健くんも
「想いは伝播していくはず」と信じていたからなのでしょう。
3人の演奏も回を重ねるごとに絡み合って一つになっていくように。
言葉の通じる場所でも、そうでない場所でも
私たち演奏者はめいっぱいにうたうだけなのです。
それだけはブレずに持ってなくちゃいけない。
この夜、icon girl pistolsも夜ハ短シも
CDがたくさん売れました。とても嬉しい。
終演後、紹介してくれた台湾の仲間たちがみな「good!」と
云ってくれたのも本当に嬉しかった。
言葉の通じない場所での初めてのライブ。
きっと何か残せたんだろうと思うのです。そう信じているのです。
終演後、一階のバーで軽くお酒を飲んでから
アンニー(台湾の仲間、女性)に連れられて皆で食事へ。
タクシーに分乗して、おそらく街の繁華街の方へ。
細い路地に車や人や原付や自転車やお店やその他諸々、溢れかえっている。
そんな道をタクシーは遠慮なく、だけどスムーズに潜り込んでゆく。
何かの映画かゲームみたいに。
到着した場所は
これもまた映画の中でしか見たことがないようなお店。
観光案内には載ってなさそうな、現地人ばかりのお店。
入り口は開け放たれていて、無駄な装飾品は一切無い。
縦長の店内に素っ気ない蛍光灯。
やや華奢な作りのテーブルにプラスチックの椅子。
なにか怒っているみたいにまくしたてる女性店員。
すごい勢いで料理が出て来て、それなりに大きめのテーブルは
あっという間に埋め尽くされる。
米餅目という、うどんのような食べ物。美味しかったな。
時刻は深夜二時半、だけどひっきりなしにお客が入れ替わる。
ひとしきり飲み食いして、盛り上がって打ち上げは終わり。
帰り際、それでも店の外にはこれから入店してくる人々。
エネルギッシュ。
タクシーに分乗してホテルへ帰ってゆく私たち。
思ったより夜は涼しいな。
長い一日が終わるところ。
つづく。
見事に風邪をこじらせたのは私です。
生まれて初めて日本という国から出ました。
どんな色かな、どんな匂いかな、どんな空かな、
どんな空気かな、どんな音かな、どんな活気かな、
なんてことを考えながら空港から一歩踏み出したそこは
そんな想像を全部なかったことにするような
まるで蒸し風呂でした。
そもそも空港ではその国の暮らしや匂いや空気なんてものを
垣間みることはできないってことか。
海外初心者、全力でいこう。
今回の演奏旅行はgoodbye donuts recordsを主催し
icon girl pistols、白倉新之助と踊る子守唄でうたをうたう白倉新之助くんの企画によるもの。
彼の先導のもと高速バス、地下鉄と乗り継いでホテルに到着。
話に聞いていたとおり、ホテルは冷房がよく効いておりやや肌寒い。
ひとまず荷物を部屋に放り投げてロビー集合、皆で昼食へ。
蒸し風呂の街、通りにはたくさんの小さな店が軒を連ねており、
適当な店に入って漢字ばかりのメニューを眺め、適当に勘で注文。
台湾料理には八角という調味料が多用されているようです。
「やまさん、八角ダメかもねー」なんて言われておりましたが
私、八角さん、ダメでした。
食事を終える頃には外はものすごい雨。日本で言うところのゲリラ雨というやつ。
雨が多い街のため、基本的に歩道には屋根があるような作りになっていること
タクシーがとても安く利用できることなんかを考えると
案外困らないのかもしれないなぁ、なんて思ったのでした。
台湾に到着した24日のその夜はREVOLVERというライブハウスで
icon girl pistolsと夜ハ短シのライブ。
16時会場入りして出演が24時からという長丁場でした。
言葉の通じない環境でのライブ
リハーサルで足もとのモニターから
「自分の声をもっとくれ」とか「ギターを下げてくれ」とか、
どうしたものか。がしかし今回はサポートドラムで参加してくれたicon girl pistolsの健くんが
英語でコミュニケーションしてくれる。一安心。
ライブが始まるまで各々銘々自由時間となり、
散歩するやつ、お酒飲むやつ、そのうち大半はお酒飲むやつ。
あれよあれよで夕方になって皆で小籠包を食べに。
小籠包には八角さん入ってナーイ!とても美味しい。ハオツィー。
食事を終えて会場に戻るとどこから集まって来たのか、お店から人が溢れている。
二階がライブスペース、一階がバー。
つまりバーが大盛況。しかも欧米系の人たちが大半を占めており
なんとも雑多な感じとなっておりました。
そのわきで、再会のハグをする日本の仲間たちと台湾の人々。
両者とも本当に素敵な笑顔でした。そしてそのまま紹介合戦。
「これは誰、何をしている人」「これは誰、以前日本にいた」などなど。
きっとお互い一回じゃ覚えられないけど、みな笑顔、笑顔、笑顔。
二階のライブスペースを覗き込んでみると、お客さんもそこそこにおり
現地のバンド(この夜はパンクバンドが多かった)が演奏を初めていて
お世辞にも上手いとはいえない演奏なのだけど、
血眼になってうたっているやつがいたり、自分に酔いしれている(良い意味で)やつがいたり
かたちや言葉は違えど、ちゃんとエネルギーみたいなものは存在していて
音楽ってスゲーなーと思ったわけでした。
夜ハ短シはicon girl pistolsの次の出演、この夜のトリでした。
icon girl pistols(この日は3人編成)がとても良いパフォーマンスを見せており
演奏を3曲ほど聴いて楽屋に引っ込んだわけですが、
楽屋の壁を越えて聴こえてくる音だけでいいライブしているのが分かる。
白倉くん、クリス、健くん、3人のエネルギーが会場を飛び交っているのが分かるような
そんな音でした。
これはとても刺激的。
その夜の対バンがいいステージみせた。
となったら、それ以上のステージ見せてやろう。
と仲間であろうとなかろうと否応無しに心は盛り上がるものです。
第一声(この旅で一番緊張した瞬間)は「ターチャーハオ」でした。
そして「we are 夜ハ短シ from Japan」と。
その後は全部日本語。それでいい。想いは伝播していくはず。
BEATLESを聴いて言葉が分からないのにドキドキしたように
ブルーハーツを聴いて言葉の意味は分からないけど
なぜだか涙が溢れた12才の頃のように。
きっとそれでいい。初期衝動。
これはきっと私もマッチも健くんも
「想いは伝播していくはず」と信じていたからなのでしょう。
3人の演奏も回を重ねるごとに絡み合って一つになっていくように。
言葉の通じる場所でも、そうでない場所でも
私たち演奏者はめいっぱいにうたうだけなのです。
それだけはブレずに持ってなくちゃいけない。
この夜、icon girl pistolsも夜ハ短シも
CDがたくさん売れました。とても嬉しい。
終演後、紹介してくれた台湾の仲間たちがみな「good!」と
云ってくれたのも本当に嬉しかった。
言葉の通じない場所での初めてのライブ。
きっと何か残せたんだろうと思うのです。そう信じているのです。
終演後、一階のバーで軽くお酒を飲んでから
アンニー(台湾の仲間、女性)に連れられて皆で食事へ。
タクシーに分乗して、おそらく街の繁華街の方へ。
細い路地に車や人や原付や自転車やお店やその他諸々、溢れかえっている。
そんな道をタクシーは遠慮なく、だけどスムーズに潜り込んでゆく。
何かの映画かゲームみたいに。
到着した場所は
これもまた映画の中でしか見たことがないようなお店。
観光案内には載ってなさそうな、現地人ばかりのお店。
入り口は開け放たれていて、無駄な装飾品は一切無い。
縦長の店内に素っ気ない蛍光灯。
やや華奢な作りのテーブルにプラスチックの椅子。
なにか怒っているみたいにまくしたてる女性店員。
すごい勢いで料理が出て来て、それなりに大きめのテーブルは
あっという間に埋め尽くされる。
米餅目という、うどんのような食べ物。美味しかったな。
時刻は深夜二時半、だけどひっきりなしにお客が入れ替わる。
ひとしきり飲み食いして、盛り上がって打ち上げは終わり。
帰り際、それでも店の外にはこれから入店してくる人々。
エネルギッシュ。
タクシーに分乗してホテルへ帰ってゆく私たち。
思ったより夜は涼しいな。
長い一日が終わるところ。
つづく。
2月3日 午前1時12分
2月になりました。
あっという間ですね。
ぐぐぐーっと眠って、少しのあいだ起きて過ごし
そしてまたぐぐぐーっと眠って
朝になりましたところ
頭の中がずいぶんとスッキリしました。
晴れやかな朝というやつです。
日々のことを考えます
おそらく昨日とそれほど変わらない今日だったように思います
そしておそらくそんな感じで毎日は過ぎてゆくのでしょう
それでも
なにかしら少しの期待を胸に秘めて明日へ向かうのでしょう。
それはとても普遍的であり、且つ本当は特別なことかもしれません。
前後します
年明け早々に関西方面にうたをうたいに行きました。
兵庫垂水PUPA→大阪心斎橋酔夏男→京都木屋町DEWEY→愛知名古屋鑪ら場
各地、再会と出会いがあり、
京都、名古屋と一緒だった白倉新之助くんとは連日朝まで話し込んだりして
「誰かのことを知る」ということは「自分のことを知る」にも近いようで
とてもとても豊かな時間。
よよよ_ゐ&ベーベーランランダーダーズを見ました。
素晴らしいグループでした。
自由とは?なんて疑問はそこらへんに捨て置いて、
彼らはとても自由に音楽をしており、
愛に溢れているのでした。
最近はレコードばかり聴いています
いままで何度も聴いてきた音楽たちを、あらためてレコードで
未だ聴いたことのない音楽たちを、せっかくなのでレコードで
まだまだ知らない素敵な音楽がたくさんあると思うとドキドキします。
ビートルズを、ブルーハーツを初めて聴いたときの気持ち。
10代初めの頃のような、なんとも表現できない気持ちとはまた少し違うのだけれど
30代最後の年齢でも、これまたなんとも表現できない気持ちになります。
ありがとう。
スケジュールです。
観に来てくだ祭!
★弾き語り 2/10 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOON
山口主催の弾き語り企画
【Howlin' At The Moon】
出演:西村伸也(ウエストムラーズ)/井上ヤスオバーガー/山口進(夜ハ短シ)
開場 19:00 開演 19:30
前売2800円 当日3300円(共にDRINK別)
予約:各アーティスト又はinfo@grapefruit-moon.com
※公演日程・お名前・枚数・お電話番号を明記の上、ご予約お願い致します。
★弾き語り 2/23 下北沢251
251presents【NIGHT SWIMMING】
出演:山口進/NOWHERE/MIKIO TORIO/
開場18:30 開演19:00
前売3000円 当日3500円(共にDRINK別)
☆夜ハ短シ 3/4 吉祥寺ROCK JOINT GB
ピンクテールカラシンズ企画
【希望のうた】
出演:夜ハ短シ/ピンクテールカラシンズ/森山あこのやうやう屋/古島省吾とクレージーボーズ/芥
開場 18:30 開演 19:00
前売2500円 当日3000円(共にDRINK別)
★弾き語り 3/7 下北沢440
【心響vol.81】
出演:山口進/大森洋平/クロキユウタ/黒木翔太
開場 19:00 開演 19:30
前売2500円 当日3000円(共にDRINK別)
★弾き語り 3/11 新潟GoldenPigsYELLOW
【手紙】
出演:山口進/TearsOfCameleon/言葉翔/YUKE/村男/和田全孝/Ghetto
開場 18:30 開演 19:00
前売1000円 当日1200円
次回の夜ハ短シは3/4です。
ビッチビチにロックしたいと思うのです。
そして弾き語りの自主企画。
井上ヤスオバーガーさんと伸也くん。
上質なうたが三軒茶屋に響き渡ることでしょう。
ご予約待っています。
観に来てくだ、祭!!!
言葉がわかんなくたって
血が沸いたら
血が泣いたら
それがすべて です
12月31日、20時58分
2015年が終わります。
あと数時間。
思い残すことなどない
などとはとても云えませんが
きっとすべてがなるようになったのでしょう。
「そして今日になった」と思えるのでした。
明日には新しい一年が始まります
希望や抱負、そりゃもちろんありますが
それよりも
一歩一歩、地に足つけて
前に進んでゆきたと思うのです。
夜ハ短シの音楽を聴きに来てくださったみなさま、
山口進の弾き語りに来てくださったみなさま、
本当にありがとうございました。
家族や仲間たち。
マッチ、雄士、
どうもありがとう。
一年の終わりの日。
今夜は下北沢440で弾き語りです。
今年もいよいようたい納めです。
感謝
年が明けたら関西へ行きます。
2016年
★弾き語り 1/7 神戸 垂水 PUPA
山下かりん1stALBUMリリースパーティー
出演:山口進/山下かりん/ふみもと大すけ
開場18:30 開演19:00 チャージ2000円
★弾き語り 1/8 大阪 心斎橋 酔夏男
『心斎橋は雨』
出演:山口進/重田拓成/ニシヤマ(six needle clib)/キタ(than)/田中翠/戸田大地
開場18:00 開演18:30 前売り2000円 当日2500円(1ドリンク別)
★弾き語り 1/9 京都 木屋町 DEWEY
出演:山口進/白倉新之助/重田拓成/ふみもと大すけ/ヨヲコヲヨ/
開場18:00 開演18:30 チャージ1500円(1ドリンク別)
★弾き語り 1/10 名古屋 吹上 鑪ら場
出演:山口進/白倉新之助/コトナ/PPking
開場18:30 開演19:00 チャージ1000円(1ドリンク別)
帰ってきたらこちら
★弾き語り 1/11 下北沢 風知空知
町田直隆presents[NEW YEAR MACHIDA ROCK FESTIVAL 2016]
出演:山口進/町田直隆/川崎テツシ(STANCE PUNKS)/横山マサアキ(テルスター)/ノグチサトシ/山下秀樹(ザラジオカセッツ)/高橋レオ(TOY)/河内健悟(ircle)
開場15:00 開演16:00 チャージ2500円(1ドリンク別)
※予約:風知空知予約のみ(アーティスト予約はございませんのでご了承下さい)
●電話予約:風知空知 03-5433-2191
●メール予約:風知空知 yoyaku@fu-chi-ku-chi.jp
(ご希望公演名、お名前、枚数、ご連絡先電話番号を明記の上、お申し込みください)
<ご注意>
当日は先着順整列入場・自由席でございます。
開場15分前より建物左手のらせん階段にご整列可能です。
開場時間を過ぎましたら、建物右手奥のエレベーターよりご入場ください。
満席の場合は立見になりますので、ご了承くださいませ。
そして2マンライブ!
☆夜ハ短シ 1/24 東京 吉祥寺 曼荼羅
曼荼羅presents
『夜ハ短シ×To Tell The Truth スペシャル2マンライブ!』
出演:夜ハ短シ/To Tell The Truth
開場18:30 開演19:30 前売り3000円 当日3500円(1ドリンク別)
そして企画!
★弾き語り 2/10 東京 三軒茶屋 GRAPEFRUIT MOON
山口主催の弾き語り企画
【Howlin' At The Moon】
出演:山口進/井上ヤスオバーガー/西村しんや(ウエストムラーズ)
詳細未定
となっております。
誰かが手を振っているよ
誰かが手招きしているよ
君が君でありますように
僕が僕でありますように
出会いと別れを
繰り返しましょう
年越しそば
食べましょ。